作 くるみざわしん
劇作家・精神科医
北区つかこうへい劇団戯曲作法塾・伊丹想流私塾を経て2007年に『うどん屋』でテアトロ新人戯曲賞佳作を受賞。劇団「光の領地」を旗揚げし、2008年に『うどん屋』を大阪で上演する。関西を中心に上演活動を続けていたが、2011年の震災・原発事故以後、活動地域を広げ、2014年に愛知県芸術劇場主催の『文豪コネクション』に参加し、夏目漱石の「坊ちゃん」を題材に舞台作品『漱石狂言・坊っちゃん』を作製し、名古屋市・伊丹市・明石市で上演。2015年には同作を長野県中川村、松本市。2017年には高松市で上演し、旅公演のスタイルを模索し、現在も新作の上演を各地で試みている。
他の劇団との共同制作にも積極的に取り組み、エイチエムピーシアターカンパニー、虚空旅団、モンゴルスシアターカンパニー、大阪女優の会、トレンブルシアター、劇団太陽族、劇団コーロなどと作品を作っている。エイチエムピーシアターカンパニーとの共同制作では、「同時代の演劇」というシリーズで海外戯曲の上演を、「日本演劇のルーツを探る」といシリーズで歌舞伎作品の上演に取り組み、2018年に「忠臣蔵」の改作脚本『忠臣蔵 破 エートス/死』で文化庁芸術祭賞新人賞。2021年からは「シェイクスピアシリーズ」を開始し、同年11月に『マクベス 釜と剣』を上演。同作は文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞している。
2021年からマートルアーツと共同制作を開始し、同年11月に『あの少女の隣に』、2022年8月に『ひとつオノレのツルハシで』を上演。いずれも高い評価を得る。『あの少女の隣に』は各地で再演を繰り返している。
受賞歴等として、2014年『蛇には、蛇を』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。2015年『ひなの砦』がOMS戯曲賞佳作。2016年『同郷同年』が日本の劇戯曲賞。2017年『精神病院つばき荘』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。2018年『同郷同年』がOMS戯曲賞大賞受賞。2022年『犬のペスト』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補。
詩人としても作品を発表しており、伊藤静雄賞佳作、部落解放文学賞等を受賞している。